キーの選択

昨日はインフルエンザ明けのお稽古日。一通り謡い終わった後のお師匠の一言は

 

「雑ですね。」

 

インフルエンザの症状は実質二日でしたが、鼻の不調はまだ続いていて集中力が少し低下しています。持ち帰り仕事もそこそこ溜まっていて実質残業。お稽古どころではありませんでした。私は花粉症ではないのですが、持病がある人にとって頭脳労働は辛いでしょうね。

 

悪七兵衛景清になりきれなかった理由は集中力の問題もありますが、当日まで自分のキーを決めきれなかったことにあります。

 

大仏供養のように低音がやたら多い謡ではキーの選び方が重要になってきます。

 

1年以上謡稽古をやっていて昨日初めて知ったことですが、謡の基本は上音から始まり、上音とは自分のキーより少し高い音だそうです。だから演劇のように感情を込めて歌えるようです。

 

少し頑張り感がありますが、この感じで音を出していくと低音の部分で見事に辻妻があいました。

 

これまで音の高さはメロディとして丸覚えしていたのですが、よく見れば文字の右横に「上」「中」「下」という指示記号があります。

 

「上」がキーより少し高い声。人によって違うのでここをまず先に決めます。

 

「中」は「上」より半音低い音。

 

「クル」になれば「上」よりさらに高い音。

 

「ハル」は元の上音に戻る指示。

 

これらの法則を頭に叩き込んで歌えば、パズルが解けたようにこれまで歌いにくかったところが全て歌えるようになりました。